大手デリバティブ仮想通貨取引所のBybitが中国人ユーザーの利用制限を強化する方針を示したことがわかった。
約3週間後の6月15日より、中国国内の携帯電話番号に紐づけている取引所ユーザーのアカウントを停止する。中国事情に詳しいWu Blockchainは、今回の動きを最も厳しい措置として指摘している。
Derivatives exchange Bybit has given the most severe measures: on June 15th, it will close the accounts of all registered users of Chinese mobile phone numbers. Bybit banned Chinese IP in 2020. It was founded by the Chinese team in Shanghai. pic.twitter.com/JYnqXQ2bAN— Wu Blockchain (@WuBlockchain) May 25, 2021
Bybitのリリースによると、停止日時以降は、該当アカウント上での取引や資金へのアクセスが制限される可能性があり、早めのポジションのクローズや出金を促している。間に合わない場合も資金が凍結されることはないが、サポートに一定の期間を要するとしている。
対応措置は厳格なものになる予定で、一度中国の電話番号に紐づいたアカウントである場合は、電話番号の変更手続きを行った場合も、アカウントの凍結が実行される。
Bybitは2020年にも中国国内のIPを制限する措置を講じているが、迂回措置としてのVPNなどを通じてアクセスが継続されていた。今回の中国政府の規制強化を受け、本格的に中国国内のユーザーを制限する対応強化に乗り出したと見られる。
なお、本件は中国に関連したもので、日本向けの発表はない。
中国政府は21日、国務院金融安定発展委員会(金融委員会)で改めて仮想通貨の取引とマイニングの規制強化について言及。中国共産党金融トップの劉鶴(りゅうかく)国務院副総理が言及したことで、今回の方針が実効性が高いものとして、ビットコインマーケットの警戒材料となっている。
24日には、大手暗号資産(仮想通貨)取引所Huobiが、中国国内での新規ユーザー向けデリバティブサービスの一時停止を発表。中国ユーザー向けにマイニングプールHuobi Poolのサービスも急遽停止した。
中国本土での事業停止を表明。具体的な取り締まりの詳細は明かされていないものの、CoinPost合弁会社LinksのSonny Wang取締役は「規制方針は決定しているが、実際の取り締まりはこれから」として、今後も中国の仮想通貨事業者への打撃はしばらく続くと予想している。
中国の規制強化については、以下のYouTube番組でも詳しく見解を伺った。