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All Nippon NewsNetwork(ANN)

ソニー生命社員の男が子会社の金170億円をだまし取ったとされる事件で、警視庁の依頼を受けたアメリカ連邦捜査局・FBIが被害金を全額押収したことが分かりました。被害金はビットコインに換えられ、およそ207億円に値上がりしていました。今後、当初の被害金170億円はソニー生命に返還される予定ですが、値上がりした30億円分がどうなるのかは明らかになっていません。 今年5月、ソニー生命の子会社で、イギリス領バミューダ諸島にある再保険事業「エスエー・リインシュアランス」の銀行口座からおよそ1億5500万ドル、日本円でおよそ170億円がアメリカの銀行の口座に不正に送金されているのが発覚しました。 ソニー生命はすぐに警視庁に相談し、被害届を受理した警視庁は先月29日、ソニー生命の社員で石井伶被告(32)をおよそ170億円を不正に送金しだまし取った詐欺の疑いで逮捕しました。石井被告は今月20日、起訴されました。 石井被告は、エスエー社に出向し、金融資産の現金化など整理作業を行っていました。犯行当時はテレワーク中で、自宅からエスエー社の銀行口座にアクセスし「上司が承認した」などと偽装して、カリフォルニア州にある銀行の自分の口座に送金すると、すぐに暗号資産ビットコイン3880枚に変換しました。警視庁から捜査協力を要請されたアメリカのFBIは石井被告のビットコインを保管する「暗号資産ウォレット」を割り出し、カリフォルニア州の法律に基づいて、押収しました。 犯行当時の5月、170億円だったビットコインの価値は、およそ半年で30億円ほど値上がりし押収時には、およそ207億円になっていました。このうち当初の被害金・170億円はソニー生命に返還されることになります。ただ、値上がりした差額の30億円あまりについては今後の行先が明らかになっていません。日本国内ならば、国庫に入れられますが、今回、ビットコインが押収された場所はアメリカなのでアメリカの法律に基づいて処理されることになり、警視庁も詳細を把握していません。 石井被告は当初、警視庁の取り調べに対し、「なりすましでは無いか」と容疑を否認していましたが、現在は「大金が欲しかった」「ビットコインに換えたら凍結されないと思った」などと話しているということです。警視庁は共犯はおらず単独の犯行とみています。 被害金がビットコインに交換されていたことについて警視庁は、「事件の発生後、素早く捜査を開始したため被害金の行方を把握することが出来た」「暗号資産を使って犯罪収益を隠すことはできない」とコメントしています。

テレビ朝日