■ Last Week in Crypto
1.Retroactive Public Goods Funding
Optimismチームが、『レトロアクティブ・ パブリックグッズ・ファンディング』という方法を発表しました。これについて書いていきます。
パブリックグッズとは公共財のことで、ここではオープンソース・ソフトウェア(OSS)を指します。公共のために広く利用されるべく、作成者がソースコードを無償で公開していて、クリプトのプロトコルはだいたいOSSになっています。
このオープンソースの開発を持続するための資金調達やマネタイズは課題となっていますが、それを解決する方法として、レトロアクティブ・ パブリックグッズ・ファンディング(Retroactive Public Goods Funding)という方法を、実験としてOptimismチームが発表した、ということになります。モデル自体はVitalik Buterin氏の考案になっています。
「レトロアクティブ」という英語は、「過去にさかのぼって効果のある」という意味があります。
「レトロアクティブ・エアドロップ」は過去に何かをした人にトークンをエアドロップする方法で、Uniswapがトークンを配布して以来おおくのプロジェクトがこの方法でエアドロップを実施しています。
「レトロアクティブ・パブリックグッズ・ファンディング」も、これと同様に、過去の実績をもとに、すでに貢献しているプロジェクトに資金を与えようという資金分配の考え方です。
そうすることで、公共財の開発(オープンソース・ソフトウェア開発)にエグジットを与えることができ、OSSエコシステムを活発にすることができる、というのが狙いです。
Optimismチームが提案しているのは、Optimism上の利益をすべてこの実験(公共財への資金提供)にあてるという方法で、以下のような仕組みです。
① DAOをつくり、Optimismの収益をすべてこのDAOに回します。
収益はどこからくるかというと、Optimism上の*「Sequencing」という仕事における利益です。
② 貯まった資金を、どの公共財(オープンソース・プロジェクト)へ分配するかを、DAOが決めます。
未来に役に立ちそうか、ではなく、「すでに貢献したか」という結果で評価します。そのためDAOの名前は『Results オラクル』と説明されています。
DAOのメンバーは、最初は20-50人くらいの技術に精通した人になる予定になっています。
「すでに貢献度の高いプロジェクトの中から選ぶ」という点が重要で、未来に何が役に立つかよりも、すでに貢献度が高いものを選ぶのはより明らかなので、DAO内でのコンセンサスがとりやすいためです。
③ どこに資金を提供するか決まったあと、どのように資金を提供するかは、以下のように複数の方法があります。